第11話・札幌ドーム写真コンテスト

 はじめに
 さてさて、今回は札幌ドームの写真コンテストの話なのですが、話の中心は海ちゃんとみっつのご存知、名・コンビ。
 一体、写真コンテストは、どんな結末を迎えるのか、必見!
                
 ある日、大学の学食で海ちゃんとみっつが話をしていると、
 海ちゃん 「みっつ君、実はですね~。エヘヘヘヘ」
 と、急に海ちゃんが言い出した。
 この時、みっつは直感的に嫌な予感がした。これは、長い海ちゃんとの付き合いの中で悟ったモノと言えるかもしれない。
 大体が、海ちゃんの口から「実はですね~。エヘヘヘヘ」と、言い出す場合には既に事態は深刻なまでに進行しているのが常であった。
 そして、今回の場合も・・・。
 みっつ 「な、なんだい?どうしたの、海ちゃん?」
 海ちゃん 「実はですね~。僕のバイト先の札幌ドームの広報誌の表紙写真を一般の人に募集していてですね、僕も応募したいんですけど、ドームでバイトしている関係から、自分の名前は使い難いんですよ~。エヘヘヘヘ」
 ここまで話を聞いて、みっつは全てを理解した。
 みっつ 「なんとなく、話は分かったよ~。つまり、俺の名義を使いたいわけね・・・。今回は、そのお願いの話かい?」
 海ちゃん 「ビンゴですよ~。流石は、みっつ君。でも、正確には使いたいじゃなくて、もう使ってしまっているんですよ~。今回は、お願いでなく事後承認をもらうつもりなんですよ~。エヘヘヘヘ」
 既に使っているという事態にみっつは戸惑いを隠せなかった。
 みっつ 「も、もう使っているって!まさか、もう応募したの!?」
 海ちゃん 「ええ、善は急げとも言いますし、時は金ですからね~。既にみっつ君の名義で、3枚程応募しましたよ~。エヘヘヘヘ」
 これを聞いてみっつは、
 (なんて、手回しのいい男なんだ!)
 と、感心しつつも今回の件に徐々に興味を持ち始めていた。
 なぜなら、優勝商品が何か知らないが、それは必然的に海ちゃんの物だろう。だが、僅かに「おこぼれ」は期待できるかもしれないし、それ以上に自分名義で優勝すれば、その名誉は世間的には120%、俺のものである!これは、まことに美味しいし、友達にも自慢できる!
 真実は、別であろうとも歴史とは周りの人間がどう思ったかによって刻まれていくのであり、実際は海ちゃんの手柄でも世間は[みっつ]という男が札幌ドーム写真コンテストを制したものと見るのである。心は決まった!
 みっつ 「海ちゃん・・・。水臭い事、言うなよ!俺と君との仲なんだし、名義どころか弟でも何でも貸すよ!!!」
 海ちゃん 「ありがとうございます。これで、肩の荷も下りましたよ~。とりあえず、1次審査があるので、結果が出たらすぐに知らせますけど、もしドーム側から電話があったら、適当に口裏合わせておいて下さいね。エヘヘヘヘ。」
 みっつ「了解したよ!じゃあ、楽しみにしているからね。」
 この日は、簡単な打ち合わせをして2人は別れた。それから、しばらく経ったある日、みっつの携帯に電話が掛かってきた。
 みっつ 「もしもし、どちらさんですか?」
 海ちゃん 「僕ですよ~、みっつ君。エヘヘヘヘ」
 みっつ「あら、海ちゃん。久々だね。どうしたの?」
 軽い気持ちでみっつは用件を聞いた。
 海ちゃん「それがですね~。例の札幌ドーム写真コンテストの件なんですけどね。エヘヘヘヘ」
 みっつ「あ、ああ、そうだ!あれ、どうなったの?」
 しばらく間が開いてしまったので、コンテストの話を微妙に忘れていたみっつであったが、あの時に妄想した輝ける未来の映像が甦り、勢い込んで聞き返した。
 海ちゃん 「実は、1次審査の結果が出てですね、僕の応募した3作品は全て最終審査に進んだんですよ~!エヘヘヘヘ」
 みっつ 「ほ~!!!凄いじゃん!んで、最終審査ってのは?」
 海ちゃん 「それはですね~。ドームのロビーに拡大した写真を展示して、一般のお客さんの投票で決めるみたいですよ。エヘヘヘヘ」
 なんと言っても、次が最終審査なので、どの作品でもいいから投票をかき集める事が出来ればグランプリである!!!夢は一気に加速して行くのであった・・・。
                              
 という訳で、写真コンテストの結末は次回に続くのですが、グランプリの行方はどうなるのでしょうか?次回は、第12話「写真コンテスト~完結編~」です。衝撃の結末?を、どうかお楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ                    


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